みずさわんのブログ

創作blogのはずが、レストレスレッグからのベンゾ減薬、膠原病などの記録

胃管について

内視鏡手術は、十二指腸でした。

後発生穿孔(あとで穴が開く)が多い臓器の手術なので、病院の方でも慎重に経過観察してくださいました。

 

そもそも内視鏡手術なのに、全身麻酔でオペ室。なぜなら「内視鏡手術で万が一穴が開いたら、腹腔鏡手術に切り替えて穴を縫えるように」という二段階の構えで行われたからです。

 

そして手術は内視鏡で無事成功。その後数日間わたしを悩ませ続けたのは、リボトリール離脱症状だけではありませんでした。

 

人生初の「胃管」です。

https://www.kango-roo.com/sn/k/view/4303

 

リンク先の図を見ていただけるとわかるのですが、鼻から胃に向かって管を下ろしていきます。

口から入れる胃カメラ、オエってなりますよね。鼻から入れるのは比較的楽ですけど、鼻だってオエってなります。それが24時間4日も続くとね!!!

 

ベッドで、何か取ろうと首を横に向けただけで胃管がわずかに動きます。

「オエっ…」

ベッドに座って背中を丸めただけで

「オエっ…」

 

つまり、ずっと口の中に指が突っ込まれてるような、動くと圧迫されて嘔吐を誘発される状態が4日続いたのです。

 

加えて3日間は傷口からと思われる熱が出ていたのですが、解熱の薬も使えず(解熱剤は胃に悪い成分が入っているとかで)水枕で対応。

看護師さんごとに提供される水枕の高さも大きさも違う…  高いとオエッとなりやすかったり、小さなことでえづいてました。

 

寝れるならまだしも、前回書いたように4日間で6時間程度しか眠れた記憶はありません(人の記憶ですし、もう少し寝てる可能性もありますが)。

4日間のほぼ全部の時間(昼に手術して昼に抜いたので、総時間恐らく72時間)、胃管の違和感と熱との戦いです。

経過する時間の長いこと長いこと。

 

看護師さんに「何時間寝れましたか?」「記憶がないのは2時間くらい?」「昼間寝てるのかな」「昼間寝てません」「大丈夫?」「わかりませんけど横になってはいるので……」「そうだね、寝付けなくても体は休めておいてね」なんて会話を毎日。

 

しかも後半、胃の中に異物感(恐らく胃管の先っぽ)があって、違和感の上乗せで更に気持ちが悪い……

 

看護師さん「お腹切った人はこれ1ヶ月するんですよ。十二指腸はデリケートだから、内視鏡手術だとしても先生は慎重にいきたいみたい」

 

これ1ヶ月するなんて、信じられない…

 

おかげさまで無事に手術の傷もふさがり、元の生活に戻れているわけですが、それでも「胃管は辛かった」と叫ばずにはいられません。

 

胃管が入ってる間はお風呂の許可も下りません。友人に面会を打診されても、毛づくろいのできてない獣みたいになってる自分を見せたくないし、熱はあるし、胃管辛くて話せないしでお断りしてました。

話そうとするとオエッとなるので、家族が面会に来てもLINEで会話してました。

 

お風呂に入らず、心身ともに女性?としての尊厳も失われていく日々。

 

自分の中から管を通して吸い出される、気味の悪い色の胃液が目視できるのも、気分のいいものではなく。

 

胃管は胃液を貯めるための機械につながっています。小さめの空気清浄機くらいの大きさの機械です。トイレのたびに機械とつながってる管の結合部を外して、再度つなぎ直すのですが、うまくいかなかったり、管の先が裂けてしまって抜けないように始終気を使ったり……というストレスも。

 

胃カメラで患部確認の後、胃管を抜く流れになっていましたが、検査の胃カメラがこんなに待ち遠しく感じたのは、今のところこの時だけ。

無事に過ごせる命を伸ばしてくださった先生には感謝しかありません。

 

 

 

そして、2日目の夜のこと。

 

眠れもしない、胃管の違和感と鼻の痛さ(鼻の痛さは3日目には軽減されました。慣れってすごいです)、熱による息苦しさ、出てきたむずむず脚のゾッとする気持ち悪さ、寝返りもままならない自分(点滴針と胃管の二本仕立てなのであまり自由にならなかった)。目を閉じて随分時間を過ごしたと思っても実際は10分。朝が近いかと眺めた時計は夜の2時。眠れるようにと落としてもらった点滴でやっと気を失うことができたものの、目覚めた時に1時間しか経ってない絶望。時間経過がとにかく気が遠くなるほど遅すぎる。

今考えるとリボトリール離脱症状で目と頭が冴えすぎていたのかも?

 

こんな苦しみが、流れの遅い時間が。数日、何十時間も続くのなら、

いっそ殺してくれ……

 

お恥ずかしながら本気で思っていました。

 

でもその直後「今から眠くなって楽に死ねるお薬を点滴に入れるよ」と誰かに言われたら?と想像。

 

やはり死にたくはない。

 

そう思って。

明けない夜はないのだと言い聞かせて。

実際夜があけて。

 

心底辛かったのは2日間。3日目は胃管に少し慣れてきて、その前よりマシになったと感じました。マシになると希望が湧くものです。

 

わたしも十分な大人で若いとはなかなか言えないですが、人間の自己治癒力、あと医術(点滴)ってすごい。

 

あの苦しい2日間を思うと、今後辛いことがあっても「あれに比べたら…」「あの時より少し苦しいだけ…」という一つの基準になって、頑張れそうな気がします。

 

胃管が外れた後は「静養にきてる金持ちか?」と思うほど快適な日々でした。

大部屋でしたけど、おもゆでもご飯の美味しい病院だったのが幸いでした。

 

 

ps.付け加え。

そんなにヒマならテレビ見るなりすればいいって思っていたのですが、体力落ちてるとなにも楽しめなくなりました。好きなアニメ、ゲーム、本、あらゆる媒体用意してなお、集中できず楽しむことはできず。ただ見てるだけの動画すら辛くて見れない。

体力ないと楽しむってできないんだと知りました。